研究課題/領域番号 |
16592208
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
福原 隆子 福井県立大学, 看護福祉学部, 講師 (00208977)
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研究分担者 |
隅廣 静子 福井県立大学, 看護福祉学部, 講師 (80326090)
山崎 加代子 福井県立大学, 看護福祉学部, 助手 (60279875)
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キーワード | 高齢者虐待 / 事例検討 / 介入研究 / アクション・リサーチ法 |
研究概要 |
本研究の目的は、在宅・高齢者虐待の援助方法の開発に向けて、アクション・リサーチ法を用い、虐待事例への専門職による介入と事例の状況変化を経時的に追跡し、援助の有効性と問題点を探ること、また、専門職の虐待支援における力量形成の過程とその効果を検討することである。 (平成16年度の研究実績) 1.虐待事例に取り組むための基盤づくり (1)倫理委員会の承認の下、医療・保健・福祉専門職からなる高齢者虐待事例検討会を発足させる。 (2)当該地区の痴呆疾患センター内に虐待相談窓口を設置する。 (3)学習プログラムを組み込んだ事例検討会の開催(1回/月)、講演会、海外研究者との交流等によりメンバーの高齢者虐待に関する知識の習得をはかる。 2.虐待事例支援過程の追跡 (1)ケア担当者とその所属長から了解が得られた2事例を追跡中。 (1)事例I:認知症の義母に対する息子の妻の身体的・心理的暴力(棒で叩く、首を絞める、怒鳴る)/虐待者に対する精神医学的アプローチを重視した支援を継続することにより、現在身体的虐待は自己抑制できるまでに至っている。(2)事例II:寝たきり・認知症の父親に対するアルコール依存、DV問題を抱えた息子の心理的虐待、介護拒否/被虐待者の生命維持を優先した介護サービスの導入・調整等により被虐待者の健康状況は次第に改善し、次段階として息子への本格的な対応策を検討していたところ、被虐待者の急変により緊急入院となり、現在退院後の支援方法を検討中である。 (2)メンバーの力量形成:虐待事例のアセスメント能力の向上に加え、自身の職種・役割と関連づけて、高齢者や家族のケア実践に活用する、啓蒙的な活動に発展させる(市民講座の企画・運営、講演等)等、行動面における前進的な変化が見られるようになった。
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