研究概要 |
1.一定地域の高齢者のみ世帯における生活実態と週末介護の実態調査 一定地域の75歳以上高齢者のみ世帯19世帯の日常生活・健康の実態と別居親族、特に子どもからの支援の現状を面接調査により調べた。19世帯中18世帯は、何らかの別居の子どもからの支援を受けていた。子どもの支援は、買い物・通院の送迎などを通した経済的支援、高齢者の精神的支え、葬式の手伝いなど地域社会における相互扶助機能の維持という意味があると考えられた。 2.週末介護の実態および援助ニーズ・援助方法に関する継続的な家庭訪問援助を通した調査 3つの異なる地域において子どもが通ってきて支援している高齢者のみ世帯各2世帯計6世帯(単独高齢者世帯2世帯,高齢者夫婦のみ世帯4世帯)について、継続的な家庭訪問を行い、日常生活・健康の実態と援助ニーズ、必要な援助について調査を実施した。高齢者の居住地域において有効に機能する介護の相談窓口が明確であること,近隣住民との日常的な支え合いがあることなどが,高齢者と家族を支える基盤となると予測された。平成17年度初めまで家庭訪問を行った後に,結果をまとめさらに検討する計画である。 3.高齢者の生活実態と援助システムの現状に関する過疎地域事例調査 2個所の過疎地域の基礎自治体事例について聞き取り調査を行った。1事例は、高齢者のみ世帯に対して別居の子どもによる通いの支援が行われている実態が確認できた。それらの親族と連携した支援を行っていた。1事例は、子どもが遠隔地にいる場合が多いため通ってきて支援することは困難な地域であった。そのため、家族がいないことを前提にサービスを使って可能な限り高齢者を支える対応を行っていた。
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