研究課題
基盤研究(C)
新人保健師にとって、多面的に、また段階的に取り組むことができ、プログラムとしてはある程度有用であったといえる。しかし、対象者21組中、1年間をとおしてすべてに回答が得られたのは10組であったことから、本プログラムは実施困難な一面もあることが示唆され、その実施には創意工夫が必要であると考える。たとえば、回答した多くが地区把握のための時間確保が困難と記述していたことから、新規採用時点から日常業務に追われる現状が推察された。日常業務を行いながら得られた情報を地区診断に生かす工夫も必要であることが示唆された。あわせて、現任教育のための環境作りも必要であると考えられた。指導保健師にとっても、新人保健師とプログラムを共有することはよかったが、どこまで助言すればいいか、またどう助言すればいいか戸惑ったとの意見があった。プログラム実施にあたり、指導者にもオリエンテーションをしてほしいとの意見があり、検討が必要と考える。時期については再考が必要との見解で一致した。今後は、プログラムの簡素化や時期の検討、さらにプログラム実施にあたって新人保健師と指導保健師にも助言やサポートが必要であることが考えられる。また、新人保健師の地区診断能力育成のために、最低限必要なこととできれば実施した方がよいことを整理し、新人保健師が段階的に能力を向上していく具体的方法を検討していく必要があると考える。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
京都府立医科大学看護科紀要 15巻
ページ: 69-74
ページ: 75-79
Bulletin of School of Nursing, Kyoto Prefectural University of Medicine Vol.15