研究課題
行政保健師の家庭訪問の優先性の認識実態に影響を与える要因を明らかにするために、北海道における行政保健師1371名を対象として自記式質問調査票を郵送した。721名(52.6%)から回答が得られ、そのうち691名(50.4%)を解析対象とした。「行政保健師の家庭訪問の優先度認識」を測定し、「行政保健師の家庭訪問の優先度認識」に影響すると考えられる要因を「保健師個人に関する要因」「職場のシステムに関する要因」「対象要因」の3つの枠組みで構成した。「行政保健師の家庭訪問の優先度認識」を従属変数とし、3つの枠組みから導いた要因23項目を独立変数として、変数減少法による重回帰分析を行なった。行政保健師の家庭訪問の優先度に影響を与える要因について検討した結果、自分の職場において家庭訪問を重視する傾向が高いと感じている人ほど、行政保健師の家庭訪問の優先度認識は高いということが明らかになった。次に影響が見られた要因は、「訪問数が減少した場合の危機感」で、以下「訪問に対するやりがい」「保健師経験年数」「訪問の大切さについて関係機関・職種に対する働きかけ」の順であった。