研究課題/領域番号 |
16592222
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
春山 早苗 自治医科大学, 看護学部, 助教授 (00269325)
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研究分担者 |
篠澤 俔子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (20348022)
鈴木 久美子 自治医科大学, 看護学部, 講師 (80341783)
佐藤 幸子 自治医科大学, 看護学部, 助手 (60364535)
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キーワード | 地域ケア体制 / へき地 / 高齢者 / 健康づくり / 介護予防 / アクション・リサーチ / プライマリ・ヘルスケア / 看護職 |
研究概要 |
へき地診療所を有するA、B2地域において、アクション・リサーチを継続した。 A 地域(山村豪雪過疎)では、村保健師、へき地診療所看護職、へき地医療拠点病院看護職、研究者によるミーティングを継続し、その過程で診療所外来患者への調査を実施し、高齢者の支援ニーズとして「自立支援の強化」「予防意識の向上」「冬季における健康生活支援」を共有した。そして、村の保健事業として診療所医師の協力も得て生活習慣病予防の健康教室を実施し、ハイリスク群に対するフォローを診療所がすることとなった。地域ケア体制の評価としては、村と診療所の連携の促進という地域ケア体制の総合性の側面において最も成果がみられ、また診療所の看護体制の見直しを図る、予防活動の重要性を認識し村の保健活動に関わるようになる、という診療所看護職、医師の主体性が高まったことが挙げられた。地域ケア体制構築に影響したことは、集落の散在、冬季の活動展開、マンパワーであった。 B 地域(離島)では、住民、保健医療福祉関係者、首長を含む行政職員に分けて、これまでの調査結果に基づく報告会を開いた。その結果「高齢者になっても、仕事が続けられ、また自分の身の回りのことができ、島に住み続けられる」村づくりの必要性が共有された。地域ケア体制の評価としては、本年度途中から村の常勤保健師が不在となり介護予防事業継続の困難さ等から村保健師が果たしていた役割が再確認され、また保健所保健師への期待や保健師確保も含めた村の保健活動の方針を検討していく必要性が確認された。 へき地における高齢者の健康づくりと介護予防のための地域ケア体制構築のために重要であることは、へき地で働く看護職が各々の活動において焦点を当てるべき高齢者のニーズを明確にする、協働体制を整え保健師と診療所看護職の看護活動に継続性をもたせる、地理的問題、季節による住民の生活の変化、マンパワー、自治体としての保健施策の方針を考慮した看護活動であることが明らかになった。
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