研究課題/領域番号 |
16592225
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研究機関 | 弘前学院大学 |
研究代表者 |
桜井 尚子 弘前学院大学, 看護学部, 教授 (80256388)
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研究分担者 |
星 旦二 首都大学東京, 都市環境学部, 教授 (00190190)
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キーワード | ヘルスプロモーション / 保健計画 / 保健師 / OJT(on the job training) / エンパワーメント |
研究概要 |
高齢者の健康寿命の延伸の推進を目指して、ヘルスプロモーションの理念に基づき、都市部T市をフィールドとして、65歳以上の高齢者の実態調査を平成13年、平成16年に行い、その結果を行政や住民にフィードバックした。また、行政・住民と実施していた健康づくり推進員活動に加えて、平成17年度住民参画による保健計画を、市民・企業からなる8チームと3専門家チームにより計66回延べ553人の参加を経て健康課保健師が事務局の要となり研究者が協働して作成した。平成18年度は、保健計画の推進会議を立ち上げ、行政の保健師・栄養管理士・歯科衛生士・事務の保健衛生従事者(事務局)と9回会議を持ち、健康づくり推進会議に3回、保健計画推進準備会議・保健計画地域ネットワーク会議に2回参加した。この介入は、(1)健康な地域づくりを目指すこと、(2)行政に働く保健医療従事者の能力向上を目指すこと(on the job training)を目的として行った。T市保健計画策定を通して保健師の能力が向上するスキルについて、保健師5人を対象とした参加観察とインフォーマルなインタビューをフィールドノートに記載し、保健計画策定資料を含めてエスノグラフィーを用いて分析した。この結果、住民参画型保健計画策定は、保健師の能力向上に影響を与えていた。(1)住民と対話を通して思いを共有し、課題を解決するために協働しようとする思考を強化していた。(2)住民や関係者間のネットワーク形成のためにface to faceを大切にして出向き有機的な連携を図るようになった。(3)計画や事業を組織的に運営するための組織運営管理能力が向上した。(4)事務部門と連携した予算管理の考えが浸透した。加えて(5)会議等では「質問できる、傾聴する、伝える」力量形成を大切に取り組んだことが、日常的な職員間の人間関係を図った要因の1つであると保健師らは考えていた。
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