研究課題/領域番号 |
16592228
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
石原 逸子 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (30221071)
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研究分担者 |
生嶋 美春 産業医科大学, 産業保健学部, 助教授 (80341212)
吉嶺 敏子 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (60352324)
原 善子 産業医科大学, 産業保健学部, 助手 (00412669)
川本 利恵子 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (40144969)
中野 正博 産業医科大学, 産業保健学部, 助教授 (70141744)
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キーワード | 慢性疲労 / 慢性疲労症候群 / 就労女性 / 職業性ストレス / VDT作業 / 家事・介護・育児 / ヒドロキシディオキシグアノシン |
研究概要 |
本研究の目的は、就労女性の慢性疲労症候群のリスク及び(慢性)疲労の原因となるストレス要因の解明である。疲労に関するアンケート調査と酸化的DNA損傷により尿中に排泄されるヒドロキシディオキシグアノシン(8-OH-dG)をストレスマーカーとして測定した。平成17年度は、752名(男性151名、女性601名)のアンケートと192検体の尿中ヒドロキシディオキシグアノシン測定結果のデータの解析を中心におこなった。 結果、「職業性ストレス簡易調査票」13項目において、男性より女性の方が自覚症状を有意に示し、また、「CFSの分類と診断基準」においても、64人(10.7%)の女性が「労働や通常の社会生活は可能であるが、全身倦怠感のため、しばし休息が必要である」と回答した。さらに、男性は0人であったのに対して4人(0,4%)の女性が、「疲労のために日常生活に支障をきたしている」と回答していた。女性の家事労働・家事役割と疲労の自覚症状については、7項目において差を認めたが、育児役割・介護役割に関して、差は認められなかった。勤務状況については、常日勤・パート勤務者よりも交代勤務者に疲労の訴えが有意に多かった。よって、疲労に関するアンケート調査においては、女性のほうが男性よりも自覚症状を訴える率が高く、疲労を感じていることが示唆された。また、女性の自覚症状・疲労の訴えは、勤務状況に関係しており、特に、看護師などの交代勤務者に疲労を感じている人が多いことが分かった。 尿中に排泄される8-OH-dG測定結果においては、心身疲労の高い20、30歳代の看護師において有意に高い値を示し、勤務状況においては、女性交代勤務者の方が女性パート勤者より有意に高い値を示した。さらに、35〜45歳の看護師においては、8-OH-dG測定値が、心身疲労因子と正の相関関係があることが明らかとなった。VDT作業における尿中8-OH-dG測定結果については、差を認めなかった。
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