研究課題/領域番号 |
16592230
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
甘佐 京子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 講師 (70331650)
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研究分担者 |
比嘉 勇人 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (70267871)
松本 行弘 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (10363962)
牧野 耕次 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助手 (00342139)
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キーワード | 統合失調症 / 精神科急性期 / 家族支援 / 社会復帰 |
研究概要 |
H17年度の研究実績としては、精神科急性期において、統合失調症およびそれに準ずる精神病圏内の疾患を持つ患者の家族に対して、入院時からのアセスメントおよび看護介入の実践を目指し、家族アセスメントの視点を、看護師の視点から明らかにすることを目的とした。そこで、精神科に5年以上勤務する看護師10名に対し、急性期の家族についてインタビューを実施した。その内容を逐語録にし、質的な分析を試みた。本研究では、「看護師が観た急性期患者を抱える家族の状況」と「看護師から観て気になる家族」の二点について分析を行った。 その結果、「看護師が観た急性期患者を抱える家族の状況(以下家族の状況)」からは家族の状況を示す内容として、70のフレーズを抽出し、最終的には九つのカテゴリーへと分類することができた。また、「看護師から観て気になる家族(以下気になる家族)」を示す内容として、54のフレーズを抽出し、最終的には九つのカテゴリーへと分類することができた。 「家族の状況」として、抽出された九つのカテゴリーは、家族が急性期に示す対処反応であり、意図的に表出しているものではない。一方、「気になる家族」として抽出したカテゴリーは、一般的な反応も踏まえて提示された家族の状況に対して、精神科の看護師としてのアセスメント能力をもとに抽出されたものである。「家族の状況」は家族員の発病・入院というストレスを受けて家族が示す対処全般であり、観察した内容を、適応か不適応か判断していく事になる。一方、「気になる家族」は、正常なストレス反応を逸脱している状況(不適応)を念頭に、逸脱する要因となる家族素因(家族の持つ資源およびストレスの認知のしかた)について、専門職である看護師としてのアセスメントの視点を示していると考える。この二つの視点を活かしたアセスメントツールの開発を今後進めていく予定である。なお、本研究結果については、人間看護研究4号に投稿中である。
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