認知症のケア方法の一つとして、認知症予防教室が各地で行われている。しかし、認知症予防教室の効果に対して客観的なデータの報告は少ない。われわれは、物忘れ予防教室を2004年度より、雲南市掛合町役場健康管理センター、雲南市掛合公民館と波多公民館などと連携を取り、認知症予防教室の開催を始めた(1地区24回開催で、2地区開催)。認知症予防教室では軽運動、回想法、自分史作成などを行っている。 認知症予防教室参加者54名のうち、連続で認知症予防教室に参加し、2004、2005年度の認知機能のデータがある24名(平均年齢75.8歳)を分析したところ、ミニメンタルテスト(MMSE)27.9±2.5点→28.8±1.9点であった。対照として、認知症予防教室に参加していない高齢者32名(平均年齢74.3歳)は28.2±1.6点→27.3±2.3点であった。これを、MMSEの1年間の変化で改善群(2-6点増加)、不変群(1点以内)、悪化群(2-6点減少)の3群に分けたところ、認知症予防教室参加群では、改善群9名、不変群12名、悪化群3名であり、一方、対照群では、改善群3名、不変群19名、悪化群10名であった(p<0.05)。これらのことより、本認知症予防教室は効果が見られていると思われる。 2006年度はさらにプログラムの検討をはかり、認知症予防教室の有効性についてさらに検討していく予定である。
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