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2004 年度 実績報告書

表像と素材のはざまの木像嵌-日本・北欧・イタリア

研究課題

研究課題/領域番号 16602007
研究種目

基盤研究(C)

研究機関金沢美術工芸大学

研究代表者

村井 光謹  金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (50229944)

研究分担者 上田 恒夫  金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (00112491)
キーワード木像嵌 / タルシア / イタリアルネサンス / スウェーデン
研究概要

1.木象嵌作品調査(村井・上田)(1)Metropolitan Museum of Art(ニューヨーク)でGubbio Studioloを実地に調査した。樹種と部位を適切に選び、切断面の性状(木目・年輪・繊維・色彩等)をコントロールして透視遠近法空間を作り出す。しかし透視遠近法はストゥディオーロの空間条件にたくみに適合させられるから、見る人は画面空間に没入しても主な樹種を見あやまることはなく、森と木と触覚の記憶を呼び起こされる(素材に焦がしなどの二次的加飾はない)。技法は基本的に寄せ木細工であり、これに補助的技法が加わる。糸鋸導入以前の単純な技法でありながら、豊かなテーマ性がある。それは木素材そのものから発想されるデザイン感覚・透視遠近法のメソッド・人文主義文化が総合された結果だと思われる。当館の修復家の多大な協力をいただき、イタリアルネサンスの木象嵌技法の基本問題の大要は明らかになった。
(2)フランス国立木工学校Ecole Boulle(パリ)をたずね、17世紀以来のフランスの技法を調査した。伝統技法の今日的展開と現代的テーマの試みに、将来に向けた積極姿勢を認めた。
2.実技的研究(村井)(1)スウェーデンの技法書L.Burman, Intarsiaを改訳した。ルネサンスの技法とは異なり、リンシェーピング大学カールマルムステン校で現在行われている技法の教科書である。
(2)木工デザインに木象嵌をほどこすことを試みたが、本年度はピースの試作にとどまった。
3.文献研究(上田)イタリアルネサンスの木象嵌資料層・研究を通覧した。特に過去50年間に研究は飛躍的に進み、絵画に優位を与える従来の見地(VasariからLonghiまで)を改め、Arcangeli, Chastel, Puerari, Sartori, Ferretti, Savettieri, Wilmering, Bagatinらが表象と素材のはざまの諸問題に正面から取り組んできた。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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