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2006 年度 実績報告書

表像と素材のはざまの木像嵌-日本・北欧・イタリア

研究課題

研究課題/領域番号 16602007
研究機関金沢美術工芸大学

研究代表者

村井 光謹  金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (50229944)

研究分担者 上田 恒夫  金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (00112491)
キーワード木象嵌 / タルシア / イタリアルネサンス / 祈祷席
研究概要

技法に関する新たな知見
カポフェッリのタルシアの焦がしの一部がマスキングによることを実技によって追認した。また、当時の木工用ニスにベンゾエもあることを確認した。アンギアリ国立木工芸学校で修復中のパッキングなどの新しい知見をえた。
祈祷席(coro)について
(1)祈祷席の歴史はタルシアの歴史でもあるが、研究はほとんどない。祈祷席の前史を含めて検討する必要がある。
(2)祈祷席の閉鎖性・暗さはタルシア制作の前提である。したがってタルシアが一般信者に見られないことの意味を問わねばならない。
(3)祈祷席はトレント公会議後、移設・解体が相次いだが、タルシアをほどこした祈祷席で今も使用されているものもある。現役の教会調度であり、タルシアが「工芸」でありながら大芸術であることの認識が重要である。
現代タルシアの問題点
(1)デザイナーのソットサスと木工家フェデーリの協力による家具について現地で調査した。すばらしい作品だが大量生産には結実しなかった。イタリアの木工芸作家は修復すべき過去の名作を無数にもっているにもかかわらず、今日的デザインへの展開が不十分である。職人とデザイナーの交流がないのが問題である。
(2)ソレントはタルシアを地場産業とするが、箱根と同様、家具調度よりも小物が多い。タルシアと建築との結合が考えられてよい(タルシア美術館長フィオレンティーニ氏)
発光ダイオードによるタルシア撮影
白色発行ダイオードを光源とする撮影ライトを試作し、現地でタルシア撮影を試み、紫外線を放出せず良好な結果を得た。
教育効果
現地撮影スライドを上映した。「表象と素材のはざまの木象嵌」に対して美術系の学生は非常に鋭敏に反応した。今日の制作の現場と触れあうものをタルシアはもっていることを実感した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 美術品撮影法の再検討と発行ダイオード(LED)による撮影の試み2007

    • 著者名/発表者名
      上田恒夫, 村井光謹
    • 雑誌名

      金沢美術工芸大学紀要 第51号

      ページ: (41)-(48)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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