研究概要 |
科学研究費補助金による研究の1年目に当たる本年度は,主として資料の収集と予備的実験,および研究の中間報告を中心に活動した。 まず,資料収集では,ウェブ上で公開されているNASA,JAXA(宇宙航空研究開発機構)提供の国際宇宙ステーション関連のデータを中心に,これまでの液体を用いた理科実験・造形実験の動画や静止画を多く収集することができた.国際宇宙ステーションで行われた.水を用いた理科実験の動画については,JAXAから高解像度の映像の提供を受けた. 予備実験では,金属(ガリウム)の溶融凝固を繰り返し,造形に用いるのに必要な特性の把握につとめた.また,空気振動による液体の造形実験では,理論的な考察のほか,簡単な音響機器を用いて,音波や空気振動による水や発砲スチロール粉末の変形・運動の実験を行っている.音による液体の制御については,他大学の超音波の専門家によるアドバイスを受けることができた.その結果,音波によって液体中の気泡が大きく変形を受けるなど,気泡による造形の可能性があることがわかった.さらに,野村は,隕石衝突時に飛散した溶融岩石の上空での凝固物をモチーフにした作品制作を行った. これらの結果は,学内の関連分野の研究者およびJAXAと合同で行われた共同研究報告会(2004年11月)で野村と藤原がそれぞれ口頭発表した.また,報告会に併せて宇宙航空研究開発機構から発行された報告書(CD-ROM)および最終報告書(書籍,印刷中)の中でも文章と画像で発表した.
|