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2006 年度 実績報告書

なぜ人々は物語なしに生きていけないのか-多メディアの中の物語の発生・展開・終焉-

研究課題

研究課題/領域番号 16602015
研究機関成城大学

研究代表者

北山 研二  成城大学, 文芸学部, 教授 (90143130)

研究分担者 川上 善郎  成城大学, 文芸学部, 教授 (00146268)
村瀬 鋼  成城大学, 文芸学部, 助教授 (60279247)
木村 建哉  成城大学, 文芸学部, 専任講師 (10313181)
キーワード物語 / 大義名分 / 性風俗貧困原因論 / 映画 / 神話 / 娯楽 / 資本主義 / 自己同一性
研究概要

平成18年度は、課題の研究継続と総括となった。実例研究として、現場の人々に勇気を与え続けた「プロジェクトX」の物語の考察のために元「プロジェクトX」担当デスク金濱理卯氏を研究協力者に迎えて、放映事例(コンビニを造った素人たちの例と南極越冬隊の奇跡の例)の分析と討議によって組織の大義名分的な「大きな物語」のために忘れさられ隠蔽された「小さな物語」群の存在と重要性が確認された。また、性風俗世界の隠蔽された物語の考察のために松沢呉一・ライター・性風俗史研究家を研究協力者に迎えて、戦前戦後日本の性風俗世界の隠蔽されたさまざまな事例の分析と討議によって現場の思惑と世間的な過剰な女性差別反対運動や性風俗貧困原因論(望まれた物語)との交錯が確認できた。つぎに、映画と映画的文法(物語)の実例研究深化のために木村・研究分担者がレクチャー講師になり、ミュージカル『バンド・ワゴン』(1953)における芸術と娯楽の対立と統合---ミュージカル映画と娯楽の神話の分析と討議によって分野ごとに神話(物語)があることが再確認された。さらに、資本主義とその学的体系としての経済学・物語を考察するために北村洋基・慶應義塾大学教授を研究協力者として迎えて、資本主義の物語的展開と現段階の分析と討議によって「大きな物語」としての経済学と「小さな物語」として自己利益最大化のせめぎ合いが論証された。他方、理論的研究のために古荘真敬・山口大学助教授を研究協力者に迎えて、ハンナ・アレントが主張する共同体における自己同一性としての物語の役割(生の救済)の分析と討議によって自己同一性と物語の密接な関係性が強調された。最後に、総括つまり研究課題に対する回答として、物語は人間の諸活動に確認されるゆえに人間を人間たらしめているものだから、という仮の結論をえて、多分野への総括的問題提起型の内容豊かで刺激的な報告書が作成できた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 主観的現実をつくるメディアトーク-ワイドショーのトークタイプと発言機能-」2007

    • 著者名/発表者名
      石山玲子, 川上善郎
    • 雑誌名

      コミュニケーション紀要 第19号

      ページ: 1-38

  • [雑誌論文] 『新アフリカの印象』のパラドクス22007

    • 著者名/発表者名
      北山研二
    • 雑誌名

      ヨーロッパ文化研究 第26集

      ページ: 4-27

  • [雑誌論文] 外を思考するもの(1)マルセル・デュシャンの場合2007

    • 著者名/発表者名
      北山研二
    • 雑誌名

      AZUR 第8号

      ページ: 1-20

  • [雑誌論文] インターネット時代の口コミュニケーション-広報活動の『おしゃべり化』を志向しよう2006

    • 著者名/発表者名
      川上善郎
    • 雑誌名

      広報 No. 6

      ページ: 14-17

  • [図書] "Japanese Women, Show Biz News and Hard News"in Women, Globalization and Mass Media.2006

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Inoue, Yoshihiro Kawakami
    • 総ページ数
      20
    • 出版者
      The women Press, New Delhi

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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