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2006 年度 研究成果報告書概要

近代日本における子供用品の歴史的研究-子供のためのデザインの成立とその背景

研究課題

研究課題/領域番号 16602017
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 表象芸術
研究機関関東学院大学

研究代表者

神野 由紀  関東学院大学, 人間環境学部, 助教授 (80350560)

研究期間 (年度) 2004 – 2006
キーワード近代日本 / 子供 / デザイン / 消費文化
研究概要

消費社会の原型が誕生した近代初期の日本では、多くの国産商品が流通し始め、人々のものをめぐる眼差しが大きく変容していく。本研究は、デザインによる近代社会研究のアプローチのひとつとして、子供用品のデザインとその社会背景を検討した。多様な子供用商品が増大する明治末〜昭和初期に焦点をあて、「子供的な」デザインの生成過程を明らかにすることを目的としている。
初年度は、本研究に先行して行われた長野県須坂市「田中本家博物館」所蔵品調査のデータを整理し、これら所蔵品を同時代の百貨店カタログなどと照合させ、明治大正期の子供用商品の傾向を明らかにした。百貨店という当時の巨大資本の力で子供用品という新たな市場が開拓され、商品デザイン、イベント創出など、さまざまな戦略によって、消費者の新たな欲望を喚起させていく状況が明らかになった。
次年度は前年のテーマをさらに発展させ、特に七五三という子供の習俗が、明治末期に商業的な目的から再興されていくという事例に着目して研究を行った。子供服が近代的な流行商品に組み込まれていく過程において、七五三のイベントが効果的に用いられ、さらにこの手法が雛祭り、新入学などに応用されていく状況を明らかにした。
最終年度は、大正期に生活の合理化・洋風化にかかわった家具デザイナーが、特に子供の生活に着目した背景を明らかにした。デザイナーたちの子供への関心が、モダニストとしての立場よりも自身の個人的・趣味的な子供への関心に因るところが大きかったという事実は、戦前期のモダンデザインを再検討し、広い視野で日本の近代のデザインを捉える必要性を示唆している。
この他、本研究期間において、京都大学楽友会館、京都工芸繊維大学、松戸市教育委員会など、研究を補完するデータの調査を行い、さらにこれまでの先行研究も含めた調査データをすべてデジタル・データに統一する作業も行った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] ファッション化する子供用品 -近代初期の消費イベントとしての七五三の事例を中心に2007

    • 著者名/発表者名
      神野 由紀
    • 雑誌名

      デザイン学研究 54巻1号(印刷中)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 子供をめぐる消費とデザイン -大正期デザイナーの子供観とその表現を例に2007

    • 著者名/発表者名
      神野 由紀
    • 雑誌名

      デザイン理論 50号

      ページ: 31-46

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Childhood Products Becoming Fashionable -Focusing on the Case of the Seven-Five-Three Festival as a Consumption Event in the Early Modern Age2007

    • 著者名/発表者名
      JINNO YUKI
    • 雑誌名

      Bulletin of Japanese Society for the Science of Design Vol.54 No.1

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Consumption and Designs for Children -the view of designers in the Taisho Era on children and their renderings2007

    • 著者名/発表者名
      JINNO YUKI
    • 雑誌名

      Journal of the Japan Society of Design No.50

      ページ: 31-46

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 近代日本における商品デザインの展開 -明治~昭和初期の子供用商品を例に2005

    • 著者名/発表者名
      神野 由紀
    • 雑誌名

      デザイン理論 46号

      ページ: 67-81

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The development of the goods design in modern Japan -In the case of children's goods from the Meiji era to the early Showa era2005

    • 著者名/発表者名
      JINNO YUKI
    • 雑誌名

      Journal of the Japan Society of Design No.46

      ページ: 67-81

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2008-05-27  

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