研究概要 |
本年度は,科学高等教育に関して,品質システム工学アプローチにより,色々な角度からの研究成果が上がっている. 1.論文「高校教育の質的向上に対する要望と生徒側の特性との関係解析のためのアンケート調査設計とモデル構築」は,観測変数の他に潜在変数をも導入した共分散構造分析により,教育における潜在的なニーズを捉えた成果であり,学生の個人差もモデル化に含まれているところが特徴である.この成果は,行動計量学会誌,Vol.32,No.1(2005.3)に掲載のため,現在印刷中である. 2.国際学会発表"Constrained Conjoint Analysis"(Proceedings of 2004 Hawaii International Conference on Statistics, Mathematics and Related Fields, pp869-876)では制約つきコンジョイント分析を提案し、大学における数学の学習法の成績による違いや、学年による違いについて、分析を行なった成果を示した。 3.国際学会発表"Educational Guidance to Students by Teachers Used the Database of Educatinoal Institution"(Proceedings of the 9th World Multiconference on Systemics, Cybernetics and Informatics(2005))は,学校教育における科学高等教育指導において,有用となるデータベースの構築と統計的解析法に関する研究結果を発表する(採択済みで,原稿は3月に提出).数学に対して,各学生が,自分の弱点を把握し,高得点を取るための方法論を指導できるようになる有用なツールの開発を行なった. 4.国際学会発表"A Study on Learning Typed PDCA and CAPD Cycles for Quality Improvement"(Proceedings of the 9th World Multiconference on Systemics, Cybernetics and Informatics(2005))は,品質管理における重要なプロセスを拡張し,学習型PDCAサイクルとCAPDサイクルを提案し,実際に学習目標をどちらかのサイクルで行った学習プロセスのテキストデータを解析することにより,両サイクルの特色の比較を行った研究成果を発表する(採択済みで,原稿は3月に提出). 5.国際学会発表"Deployment of Quality Characteristics on Classes of Mathematical Education for Modern Students"(ICQ'05)は,品質機能展開の田井モデルを大学の数学教育に対して拡張をし,教育効果を高めるための品質特性を展開し,さらに,授業の改良によって学生が行なうようになるであろう学習プロセスの展開を行った研究成果を発表する.
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