研究概要 |
本年度も,科学高等教育に関して,品質システム工学的アプローチにより様々な角度からの研究を行い,以下のような成果が上がっている。 1.学生の特性や個人差を潜在クラスを用いてモデル化することの研究を進めた。その成果に関しては,"Classification of Learning Styles of University Students After Quality Improvement of Lesson Using Latent Class of Structural Equation Modeling"をEuropean Conference on Educational Research 2006において国際学会発表した。 2.理工系大学生の好んで行なっている大学数学の学習の仕方に関してコンジョイント計測をし,成績という外部制約を入れて分析をした研究成果"Constrained Categorical Conjoint Analysis"を,国際学会International Meeting of the Psychometric Society Meeting 2007に投稿中である。 3.理工系大学の数学において,現代の学生に対して応用力のつくテキストの構成を研究した成果"A Study on Constructing Text of Applied Mathematics Practicable for Current University Students"をEuropean Conference on Educational Research 2006において国際学会発表した。 4.さらに,数学の問題解決過程を数学の能力と結びつけ,品質機能展開(QFD)を,大学の数学のテキストの開発・改善への応用に拡張した研究成果"A Study on The Relationship between Quality Function of Mathematics Text and Mathematical Abilities"を,European Conference on Educational Research 2007に投稿中である。 5.学習型PDCAサイクルあるいはCAPDサイクルにより,実際に学習活動を行った学習プロセスのテキストデータをテキストマイニング(コレスポンデンス・アナリシスおよびWebグラフ)で分析することにより,両サイクルの特色の比較を行い,さらに各個人の学習プロセスの改善点を把握できることを示した研究成果「Webグラフを用いた学習型PDCAサイクルとCAPDサイクルの分析」を,第36回品質管理学会年次大会にて学会発表し,さらに,同じ学習過程データに対して,異なる角度からの分析ができる自己組織化マップによる学習型PDCAおよびCAPDサイクルの有効性と比較の研究成果"A Study on Effectiveness of The Learning-type PDCA Cycle and CAPD Cycle Using Self-Organizing Map"をEuropean Conference on Educational Research 2007に投稿中である。 また,本年度は,この科学研究費の研究成果をまとめて,著書『教育の質的向上のための品質システム工学的データ分析-個人差の解析を中心として-』(現代図書)として刊行した。
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