研究概要 |
本研究の目的は、数理的および解析的な手法を用いて生物進化および生態学の最適化問題や適応問題を研究するということである。今年度は、生態系の数理的モデリングと格子上のシミュレーションによって、生物進化と生物絶滅を研究してきた。 われわれは以下のような具体的問題にとりくんできた: 1)生物進化の研究 格子ロトカ・ボルテラ模型を使って、性比の理論を研究した。動物の性比が0.5に近い理由を説明した。なぜ人間の場合、性比が0.5よりわずかにずれるのかという理由を説明した。その他、利他行動の進化や種分化の機構などの研究を行ってきた。ハト・タカゲームや雪だまりゲームなどのゲーム理論と実際の生物との関連を研究してきた。 2)環境変動と生態系の応答予測について 環境に対する生物の応答は食物連鎖の影響を強く受ける。生物の食物連鎖の実証的研究とモデリングを行ってきた。またそれを基礎にして、環境変動と生物の長期的応答をミュレーションなどの解析によって研究してきた。その結果生物の応答を予測することは極めて困難であることが分かった。この結果はEurophysics Letters, Population Ecology, J.Phys.Soc.Japanなどの雑誌に出版された。 また我々は、これらの成果をフランスの国際会議において発表した。
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