研究課題/領域番号 |
16605008
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
西森 拓 広島大学, 大学院理学研究科, 教授 (50237749)
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研究分担者 |
水口 毅 大阪府立大学, 大学院工学研究科, 講師 (80273431)
小西 哲郎 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (30211238)
柳田 達雄 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80242262)
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キーワード | 地形の動力学 / 非線形動力学 / 砂丘 / エウロパ |
研究概要 |
今年度は砂丘の衝突に関する研究を中心に地形動力学の研究を行った。 特に、本課題において一昨年報告した2つのバルハン砂丘の衝突過程の1次元連立上微分方程式模型に大幅な改良を加えた。すなわち、水槽実験では初期条件に依存して、バルハンの衝突の過程が、大きく分けてi)合体とii)分裂の2つに分類できることが判明しているが、前回の模型では合体の過程は連立常微分方程式の他に特別なルールを付加することでしか実現されなかった。今回の改良により、連立常微分方程式のみで、他に付加的ルールを加えることなく、合体と分裂の両過程が初期条件に依存して自然に発生することとなった。本模型は、砂丘の衝突というきわめて複雑な過程のエッセンスを解析可能な常微分方程式に直す事に成功した最初の理論模型といえる。研究成果は現在論文としてまとまりつつある。同時に、研究代表者がここまで開発してきた砂丘の動力学の数理的手法を、内外の実験・観測・数理的研究の進展を踏まえて紹介する著書が本年中に培風館より非線形科学シリーズのうちの一巻として出版される予定で、上記の衝突過程も紹介される。 また、木星の衛星エウロバの表面に見られるサイクロイド上の模様の起源について表面の氷における潮汐力による破壊進展の跡であるとの仮説のもとに球面上の破壊力学模型を構成した。ただし、まだサイクロイド上のパターンは見られていない。
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