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2005 年度 実績報告書

19世紀末〜20世紀初頭における都市計画と都市行政システムの英独比較

研究課題

研究課題/領域番号 16610003
研究機関東京大学

研究代表者

馬場 哲  東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40192710)

キーワード都市行政 / 都市計画 / 英独比較 / フィランスロピー
研究概要

昨年度に引き続き19世紀末〜20世紀初頭のイギリスにおけるドイツ都市政策・都市行政認識がどのようなものであったかについて、ドイツの実態と付き合わせながら、T.C.ホースフォールとJ.S.ネトルフォールドの所説に即して検討した。その骨子は以下のとおりである。
(1)ドイツ都市政策・都市行政のイギリスへの影響:世紀転換期のドイツにおける都市計画は、単なる道路改造・建設計画から、住宅政策を明確に組み込んで郊外の未建設地を計画的に開発する「都市拡張」の段階に移っており、都市行政も、市議会と市参事会の二元的構成を維持しつつ、市参事会内では専門的知識をもつ有給市参事会員の重要性が増しつつあった。ホースフォールとネトルフォールドはこれらのイギリスへの移植を提言し、それを踏まえた彼らの活動は、田園都市・モデル村落の試みと合流して、イギリスにおける都市計画運動の原動力となった。
(2)イギリス側の認識とドイツにおける実態の乖離:イギリス側の認識はドイツの実態そのものであったわけではない。ホースフォールやネトルフォールドは上級市長を中心とする市参事会と市議会の二元的構成というドイツの制度を正確に理解していたとはいえず、戸建て住宅の優位やO.ヒル流の住宅管理制度などの点ではイギリスのほうがすぐれていると認識していた。二人の観察とそれに基づく提言は多分に選択的なものであった。
(3)イギリスとドイツの都市政策思想の共通性:アディケスに代表されるドイツの都市政策家とホースフォールやネトルフォールドの都市政策思想には共通するところが多かった。それが理想としたものは、住宅政策・都市計画の文脈で言えば、議会制定法や都市の条例に基づく公的規制と国・自治体の支援のもとで、フィランスロピストや公益的な企業が住宅建設活動を行うことであったということができる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 世紀転換期のイギリスにおけるドイツ都市政策・都市行政認識-T・C・ホースフォールに焦点を当てて-2006

    • 著者名/発表者名
      馬場哲
    • 雑誌名

      CIRJE Discussion Paper Series J-153

      ページ: 1-23

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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