研究分担者 |
前田 健悟 熊本大学, 教育学部, 教授 (00040048)
岡崎 宏光 熊本大学, 教育学部, 助教授 (70093995)
宮本 光雄 熊本大学, 教育学部, 教授 (40039441)
吉永 誠吾 熊本大学, 教育学部, 教授 (00128331)
杉 哲 熊本大学, 教育学部, 教授 (10116163)
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研究概要 |
各教科の学習の流れ、児童生徒の思考の発達に即して,作る喜びを味わわせるための教材を検討した。特に電気エネルギーを用いて,動く教材(玩具)に着目した.モータを使った教材は数多く開発されているが、手作りする電気回路が少ない.手作りの充実感を味わわせるためには電磁石と永久磁石(マグネット)を使ったものが最適であるという結論を得た.そのために,乾電池2本(3V)で充分な駆動力が得られ,かつ電池を長持ちさせる教材の研究に着手した. 3Vで充分に動作するコイルの巻線径や巻数、形状についての基礎研究を通して,小学四年生でも無理なく製作できるコイルを開発した。また、製作に当たって、児童が学校で手軽に使える巻線機を、独自で開発することにし、3〜4種の巻線機を試作した。 このコイルとマグネットを用いて、中学年用に電池で動くヤジロベーの駆動部を構成し、また生徒の興味関心や創造性を発揮するための場面設定など種々の工夫を施した。高学年用には、任意のテンポで、間欠的に吸引し続けるアクチュエーターを開発し、"崇城博士"や"釣りするドラエもん"などの動く教材を開発した。更に、声や音に反応して特別な動作をするように改良したものは、子供達に大きなインパクトを与え,一気に子ども達のアイドル的存在になった. 田舎の小学校に出向き、研究授業をした。授業を終わって放課後暗くなるまで、熱心に取り組んでいる姿には、心打たれるものがあり、ものづくりの魅力というものを改めて認識させられた。一方,資料や手順書等の準備のあり方やもの作りに入る前段階の授業の在り方など、今後改善しなければならない課題も多く見出された。 この研究主題を実現するためには,ものづくりの教材を開発するのみでなく,そのための工具の開発や環境整備,さらに人海戦術を用いなくてもできるものづくり授業の指導法の開発なども,避けて通れない課題であることが判明した.
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