研究課題
本研究の目的は非常に多数の化学物質を同時に検出できる半導体センサのプロトタイプを開発することである。その基礎としてLight-Addressable Potentiometric Sensor(LAPS)および半導体化学イメージセンサの原理を利用し、センサ面上に多くのイオン敏感膜等を集積し、各測定領域を独立に光照射することによって発生する光電流の大きさから各物質を検出・定量するシステムの開発を行った。本年度の研究実績は以下のようにまとめられる。(i)一枚のセンサ基板上に設けることができる測定点を増やすためには空間分解能を向上させる必要がある。半導体層の厚みが空間分解能を決定する大きな要因であることがわかっているので、ガラス基板上に堆積したアモルファスシリコン薄膜を用いたセンサを開発し、その基本動作と分解能を確認した。(ii)従来提案していた携帯型マルチセンサを発展させ、最大16チャンネルの測定ができるデバイスを試作した。またグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを備えた計測プログラムを作成し、最大16チャンネルの信号の時間変化を記録できるようにした。(iii)一枚のセンサ基板表面に集積した複数のイオン敏感膜からの信号の解析に人工ニューラルネットを利用し、混合溶液の組成を決定した。(iv)バイオセンサへの応用を念頭に、センサ面上に生体分子の微細パターンを作製するプロセスを開発した。なお、上記の研究実績のうち(i)と(ii)は海外共同研究者Schoning教授との共同研究、(iii)は海外共同研究者Ermolenko教授との共同研究成果である。
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Sensors and Actuators B Volume 103, Issues 1-2
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Sensors and Actuators B in press