研究概要 |
研究代表者である前田は研究を総括しつつ,前庭感覚刺激装置の設計・開発とその定量的な評価を被験者を用いた心理物理的な計測実験を通して行った.SIGGRAPH2005において発表された"Moving You, Shaking the World : Galvanic Vestibular Stimulation As A Novel Sensation Interface"では,前庭電気刺激による歩行誘導とバーチャルリアリティ環境下での同刺激方式の効果,さらに音楽への同期刺激体験デモ展示発表し,2000人近い体験者から筆記応答データを収集することができた.また,同様の環境下において視覚によって誘導される運動感覚の逆転がおこる現象について,視覚的相対運動の多義性を前庭電気刺激が抑制しうることを実験的に確認し,日本VR学会において「前庭電気刺激における周期性刺激の感覚効果と周波数応答」として発表した. 研究分担者である稲見は前田から供与されたデータ及びデバイスを元に当該技術のアプリケーション面での応用方法を模索・開発し,実際的な応用事例における評価実験を行うと同時に,視界の回転運動現象についての心理物理的な計測実験を行い,日本バーチャルリアリティ学会論文誌に「前庭感覚電気刺激による視覚への影響」として学術論文を発表した.また日本VR学会においても「前庭感覚電気刺激の視覚に及ぼす効果」,International Conference on Artificial Reality and Telexistence 2005においても「Visual perception modulated by galvanic vestibular stimulation」としてこの成果を発表した.
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