研究課題
基盤研究(C)
千葉大学医学部附属病院にて帝王切開で出産した母児71組を対象に出産時の母親と、臍帯中の血中イソフラボン(ゲニステイン、ダイゼイン、イクオール)を測定した。胎児のイソフラボン暴露を知るために、臍帯血中の濃度を測定した。母親の平均年齢は32.3歳だった。母親には研究の趣旨を説明し、書面にてインフォームドコンセントを得ている。その結果、母体血中のゲニステイン、ダイゼイン、イクオールの平均濃度はそれぞれ9.8、2.6、1.9(ng/ml)であったのに対して、臍帯血中の濃度はそれぞれ24.6、5.5、0.8(ng/ml)であった。すなわち、ゲニステイン、ダイゼインについては母体血中よりも臍帯血中で濃度が高かったのに対して、イクオールについては母体血中よりも臍帯血中で濃度が低かった。イクオールはダイゼインが腸内細菌によって代謝されて生成される物質であり、イソフラボン類を摂取して6〜12時間程度かけて生成されると報告されている。上記の結果は、ゲニステインとダイゼインについては母体が摂取したイソフラボン類は速やかに胎児に移行するが、イクオールについては母体の腸内細菌によって生成されその後胎児に移行するので、時間差があるものと推測された。また、上記の結果から、イソフラボン類は母体中では速やかに代謝されるが、胎児中では代謝機能が未熟なため代謝に長時間かかることも推測された。イソフラボン中、イクオールはその親物質であるダイゼインの数倍女性ホルモン様作用が強いと報告されており、母親がイクオール生成者であった場合、胎児がより強い女性ホルモン作用物質にさらされるということが推測される。さらに、成人25名(男性11名、女性14名)を対象に、豆乳を摂取して約12時間後の血中イソフラボン濃度を測定した。その結果、内9名(男性4名、女性5名)がイクオール生成者であった。本研究で、イクオールの胎児移行とイクオール生成者の確認ができた。今後はイクオール生成腸内細菌の検討や人への影響についてさらに研究を続けていく。
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