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2004 年度 実績報告書

過眠症における髄液ヒスタミン濃度の検討および免疫性神経疾患でのオレキシン値の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16614002
研究機関秋田大学

研究代表者

清水 徹男  秋田大学, 医学部, 教授 (90170977)

キーワードナルコレプシー / ヒスタミン / オレキシン / 髄液 / 突発性過眠症 / 睡眠時無呼吸症 / ギランバレー症候群
研究概要

研究の目的:(1)オレキシン神経の下位で覚醒の実行系であるヒスタミン神経の活動の指標として髄液中のヒスタミンを測定し、その正常値を明らかにすることと、過眠を呈する疾患においてヒスタミン値の異常の有無を確かめるすること。(2)髄液中のオレキシン値が低下しているギランバレー症候群と傍腫瘍性神経障害症候群(paraneoplastic syndrome)患者の過眠症状を客観的に評価し、ナルコレプシーでのオレキシン神経の永続的な脱落の原因解明の一助とすることである。
方法:(1)ナルコレプシー:42例、特発性過眠症:14例、睡眠時無呼吸症:18例、2次性の中枢性過眠症120例、コントロール群66例を検討した。ナルコレプシーのうち27例はオレキシン低値であり、15例はオレキシンが正常値であった。ナルコレプシー以外の睡眠障害のオレキシン値は正常範囲であった、オレキシンはRIにて、ヒスタミンはHPLCにて測定した。(2)ギランバレー症候群の2例について、回復後ではあるが過眠症状の残っている時期にtwo nap sleep testで入眠潜時を測定した。
結果:(1)42人のナルコレプシーではオレキシン神経脱落の有無にかかわらずヒスタミン値(平均195pg/ml)は、コントロール群(平均409pg/ml)に比べて有意に低値であった。14例の特発性過眠症(平均144pg/ml)、20例の2次性の過眠症(平均205pg/ml)でも有意に低値であったが、睡眠時無呼吸症(平均382pg/ml)ではコントロール群と同等であった。(2)ギランバレー症候群の2例では入眠潜時が2例とも平均1分以下と短縮しており、過眠症状が裏付けられた。
考察:(1)ナルコレプシーの症例ではヒスタミンも低値であり、加えて特発性過眠症や2次性の中枢性過眠症でも低値であった。髄液オレキシン値はナルコレプシーの中核群でのみ低値であるが、ヒスタミンは中枢性の過眠症状を反映する可能性があり、過眠症の生化学的な指標になるかも知れない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 過眠症の分子生物学2005

    • 著者名/発表者名
      神林崇, 清水徹男
    • 雑誌名

      分子精神医学 5巻1号

      ページ: 23-31

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] CSF Histamine And Noradrenaline Contents In Narcolepsy And Other Sleep Disorders2004

    • 著者名/発表者名
      Kanbayashi T, Shimizu T et al.
    • 雑誌名

      SLEEP 27A

      ページ: A236

  • [雑誌論文] ナルコレプシーとその他の過眠症における脳脊髄液中のヒスタミンとオレキシン値2004

    • 著者名/発表者名
      関根篤, 神林崇, 清水徹男
    • 雑誌名

      臨床神経生理学 32巻5号

      ページ: 551

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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