研究課題
睡眠相後退症候群(DSPS)における光過感受性に関する研究DSPSにおける覚醒度、眠気、作業能力の日内変動に関する研究DSPS患者は、強制的に睡眠相を前進させた場合だけでなく、習慣的な入眠覚醒スケジュールの下においても起床後数時間にわたる眠気を訴えることが多く、臨床的には光療法によって睡眠相の前進とともに自覚症状の改善がしばしばみられる。今回我々はDSPS患者の起床後の眠気の客観的評価を目的に、習慣的な睡眠スケジュール下での脳波検査後、起床後8時間にわたり、覚醒度、眠気、作業能力を経時的に測定した。具体的には覚醒度をNWT(覚醒維持検査)で、主観的な眠気をvisual analog scaleで、作業能力および客観的な眠気をchoice reaction taskの反復試行における反応時間、エラー数で評価し、内因性リズム指標として深部体温で評価した。テストバッテリーを起床後毎時間実施した。研究は滋賀医科大学付属病院内において5名のDSPS患者について実施した。MWT、VAS、choice reaction task(反応時間、エラー数)、深部体温の結果をSpearmanの相関係数を用いて評価したが、いずれも有意な相関は認められなかった。また、5名の結果からは評価指標毎のピークは一致しなかった。これらの結果より、DSPS患者の起床後の眠気は個人差が大きい可能性が示唆され、自覚的眠気は客観的眠気と必ずしも一致しない可能性が示唆された。今後は脳波解析や起床後コルチゾール分泌量などの指標を用い、高照度光に対するDSPS患者の感受性を客観的に評価していく。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)
Psychosomatics 46(1)
ページ: 19-24
分子精神医学 5
ページ: 32-39
Am J Pshchiatry 161(4)
ページ: 748-751
Sleep and Biological Rhythms 2
ページ: 209-214
JIM 14(3)
ページ: 217-221
精神医学 46(5)
ページ: 505-511