研究概要 |
1.脳形態画像 これを用いて定量的に大脳灰白質、白質に生じる変化を計測する手法を確立するため、まず慢性疲労性症候群患者を対象とした研究を施行した。同患者16人に対して年齢を合わせた健常被験者49人を対照として、局所灰白質・白質量を比較したところ、患者群において両側前頭葉に広範に灰白質(大脳皮質)の萎縮を認めた。その中で右前頭前野は患者の疲労度と有意に相関することが判明し、これを論文として公表した(下記参照)。これにより、様々な疾患により脳に生じる変化についてMRI形態画像を用いて解析するための基礎を形成することができた。 2.脳機能画像・脳血流画像 脳機能画像を患者群で行なう体制を確立することを目的として、まず術前の脳腫瘍患者において、脳機能画像の研究を行った。これは活動に伴う脳血流変化を検出することで脳の機能局在を同定し、腫瘍位置との関係を明瞭化することで、臨床における有用性を示すことができた。これを論文として公表した(下記参照)。 またより静的な脳機能画像としてMRスペクトロスコピー撮像法を用いて、ボランティア被験者を対象として計測の再現性を研究した。再現性と撮像の信号・ノイズ比に関する結果が得られたため、これを2005年5月の北米神経放射線学会(Toronto, Canadaで開催)にて報告する予定である。 造影剤を使用した脳血流画像に関しても、ボランティア被験者を対象として計測の再現性を研究し、その結果について現在解析中である。
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