研究概要 |
1.脳形態画像 慢性疲労性症候群患者を対象として確立した(昨年度論文参照)、定量的に大脳灰白質・白質に生じる変化を計測する手法に基づき、患者群のMRI形態画像計測を行っている。ただし高血圧・糖尿病患者では白質などに虚血性変化が強い場合があり、その処理により結果に大きな変動が認められた。このため適切な比較のための検討を行っている。 2.脳代謝画像 MRスペクトロスコピー撮像法による脳代謝画像計測の再現性研究により、脳内代謝物であるmyoinositolの計測再現性が計測データの信号・ノイズ比に線形比例することが新たに判った。これを昨年の北米神経放射線学会(Toronto, Canadaで開催)にて報告し、有意義な議論が行えた。これまでにこの点に関する報告は見つかっておらず、その原因に対する考察を加えて論文を作成した。現在投稿中である。 3.脳血流画像 造影剤を使用したMRIによる脳血流画像では、その解析手法が重要である。これまで使用していた脳血流解析ソフトDr.View 2.0/Linux(旭化成情報システム株式会社)が2006年初に改定され、動静脈での入出力関数の自動計算が可能となり、より客観的な解析が可能となった。これに基づき、ボランティア被験者での計測再現性の再解析を行い、論文作成中である。さらに患者群を対象とした脳血流計測を行っているが、同時に脳血流をより正確に計測できるPETを用いた計測も行い、比較対照計測・解析を実施中である。
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