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2005 年度 実績報告書

メモリーTh2細胞によるアレルギー疾患の病態制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16616003
研究機関千葉大学

研究代表者

山下 政克  千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (00311605)

キーワードメモリーTh2細胞 / エフェクターTh2細胞 / アレルギー性炎症 / GATA3 / MLL / Gfi1
研究概要

メモリーTh2細胞の研究が困難であるのは、抗原特異的なメモリーTh2細胞を大量に得るのが難しいことが一因としてあげられる。そこで、申請者はin vitroで抗原特異的なエフェクターTh2細胞を抗原特異的TCRトランスジェニックマウスから分化誘導し、それをマウスに移入することで大量(1x10^8レベル)のメモリーTh2細胞を調製する方法を開発した。本研究では、この方法を用いてアレルギー性疾患の病態形成におけるメモリーTh2細胞の役割を、アレルギー性気道炎症のモデルで検討した。
本年度は、(1)メモリーTh2細胞分化を制御している転写因子の新規同定、および、(2)これまでに同定した因子の機能解析を行なった。(1)については、メモリーTh細胞に高発現するEts型転写因子SpiCが、末梢のCD4T細胞の生存維持に必要であるという結果を得て、トランスジェニックマウスおよび欠損マウスの作製を行なった。現在、これらのマウスの表現系の解析を行なっている。また、エフェクターTh2細胞で高発現している転写抑制因子Gfi1が、メモリーTh2細胞分化を負に制御していることも見いだし、欠損マウスを用いた研究を開始した。(2)については、ヒストンメチル基転移酵素のMLLがメモリーTh2細胞におけるTh2サイトカイン産生の維持およびメモリーTh2細胞によるアレルギー性気道炎症の誘導に必要であることを明らかにした(論文投稿中)。また、Th2細胞の機能維持において重要であるGATA3蛋白の発現が、ERK-MAPK経路によりユビキチン/プロテアソーム系を介して制御されていることを示した(J.Biol.Chem.280:29409,2004)。さらに、加齢に伴うTh2細胞分化・維持能の変化についても解析を行ない、新しい知見を得た(J.Immunol.176:2546,2006)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Crucial role of MLL for the maintenance of memory T helper type 2 cell responses2006

    • 著者名/発表者名
      Yamashita, M.
    • 雑誌名

      Immunity (in press)

  • [雑誌論文] Regulation of allergic airway inflammation through Toll like receptor 4-mediated modification of mast cell function.2006

    • 著者名/発表者名
      Nigo, I.Y.
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103・7

      ページ: 2286-2291

  • [雑誌論文] Impaired GATA3-dependent chromatin remodeling and Th2 cell differentiation leading to attenuated allergic airway inflammation in aging mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa, A.
    • 雑誌名

      J.Immunol. 176・4

      ページ: 2546-2554

  • [雑誌論文] Ras-ERK MAPK cascade regulates GATA3 stability and Th2 differentiation through ubiquitin-proteasome pathway.2005

    • 著者名/発表者名
      Yamashita, M.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 280・33

      ページ: 29409-29419

  • [雑誌論文] Prolonged skin allograft survival by IL-10 gene-introduced CD4 T cell administration.2005

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto, T.
    • 雑誌名

      Int.Immunol. 17・6

      ページ: 759-768

  • [図書] The Innate Immune System : Strategies for Disease Control(International Congress Series 1285)2005

    • 著者名/発表者名
      Nakayama, T.
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      Elsevier

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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