研究課題/領域番号 |
16616007
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研究機関 | 東北薬科大学 |
研究代表者 |
大野 勲 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (00250762)
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研究分担者 |
櫻田 忍 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (30075816)
佐藤 直子 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (20364408)
曽良 一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40322713)
田村 弦 東北大学, 病院・感染症呼吸器内科, 講師 (70188431)
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キーワード | アレルギー / 気管支喘息 / ストレス / オピイド / μオピオイド受容体 / Th2サイトカイン |
研究概要 |
1.感作したC57BL/6系野生型雌性マウスに、抗原吸入と同時に拘束ストレス(6時間チューブ内に拘束)を負荷し、その後6日間連続で拘束ストレスのみを負荷した(慢性ストレス)。最終負荷の翌日に二度目の抗原吸入を行い、経時的に肺洗浄液を採取し、その中の炎症細胞により気道炎症を評価した。慢性ストレス非負荷群では炎症細胞数に有意な変化はみられなかったが、負荷群では3および5日後に総炎症細胞数および好酸球数、リンパ球数に有意な増加がみられ、また非負荷群と比べても有意に高値を示した。さらに、肺洗浄液中のTh2サイトカイン(IL-4、IL-5、IL-13)量も非負荷群より負荷群の方が有意に高かった。 2.しかし、二度目の抗原吸入の直前の気道炎症には、慢性ストレス負荷群と非負荷群の間に有意差はなかった。 3.慢性ストレスの直前の抗原吸入が無い場合、二度目の抗原吸入により誘発される気道炎症には、非負荷群と負荷群との間に有意差はみられなかった。 4.感作したC57BL/6系μ-オピオイド受容体欠損型雌性マウスに同様の慢性ストレスを負荷した。しかし、吸入3日後の肺洗浄液中の炎症細胞およびTh2サイトカイン(IL-4、IL-5)には、非負荷群ばかりでなく負荷群においても有意な増加はみられなかった。 5.感作したC57BL/6系野生型雌性マウスに、μ-オピオイド受容体拮抗薬(β-FNA)を投与しながら、慢性ストレスを負荷した。この結果、吸入3日後の肺洗浄液中の炎症細胞は、慢性ストレス非負荷群のそれと同程度にまで、有意に低下した。 以上より、抗原誘発性アレルギー性気道炎症の慢性ストレスによる悪化にはμ-オピオイド受容体が関与することが明らかとなり、そのメカニズムとして特異抗原に対する免疫寛容の抑制が示唆された。
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