研究概要 |
IL-4,IL-5,IL-13などのサイトカインを産生し、IgE抗体産生を促すTh2細胞は、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患発症と密接な関係がある。Th2細胞の分化や機能発現に直接関わる補助シグナル分子を同定することを目的に、本研究では、Timファミリー分子の発現の局在と調節機序を、独自に作製した抗Tim-1,Tim-2,Tim-3抗体を用いて解析を行った。結果、Tim-1は抗μ抗体+抗CD40抗体で刺激したB細胞に強発現し、そのリガンドのTim-1Lは抗CD3抗体+抗CD28抗体で活性化したT細胞上に発現が認められた。よってTim-1/Tim-1LはT-B細胞相互作用に働くことが示唆される。Tim-2の発現はいずれの免疫担当細胞上にも見いだせなかった。一方で、Tim-3はin vitroで作製されたTh1,Th2細胞どちらの細胞にも強発現し、免疫したマウス脾臓およびリンパ節中の一部のT細胞にも発現が確認された。Tim-3Lの発現が脾臓樹状細胞(DC)や活性化マクロファージ(Mφ)に見られたことから、Tim-3/Tim-3LはT-DCあるいはT-Mφ相互作用に働くことが示唆された。上記の結果は、研究代表者により、日本免疫学会で発表された。
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