研究分担者 |
金出 武雄 産業技術総合研究所, デジタルヒューマン研究センター, センター長
萩田 紀博 国際電気通信基礎技術研究所, ロボティクス研究所, 所長
大田 友一 筑波大学, システム情報工学研究科, 教授 (50115804)
佐藤 三久 筑波大学, システム情報工学研究科, 教授 (60333481)
加藤 和彦 筑波大学, システム情報工学研究科, 助教授 (90224493)
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研究概要 |
本研究では,メンバによる合宿形式を中心とした討論会を隔月毎に開催し,次に述べるように,近年急速な普及が見られるユビキタスセンサネットワークの存在を前提とした,その次の世代のセンサの新たな利用可能性を開拓する技術である"センシンググリッド"のコンセプトを確立した. インターネットに代表される計算機ネットワークの普及の結果,個々の計算機の利用者が個別かつ独自に作成したコンテンツを全ての利用者が共有化するための基盤としてWWWが発達し,さらに,共有化されたコンテンツを任意の利用者が本来とは異なる多様な目的で活用するための基盤として検索エンジンが発達した.このことから,センサネットワークが発達すると,その次の段階として,センサ情報を全ての利用者が共有化するための基盤や,共有化されたセンサ情報を任意の利用者が本来とは異なる多様な目的で活用するための基盤が必要になることが予想される.センシンググリッドは,このような基盤の構築を目指すものであり,グリッドコンピューティングが,個々の計算機を他者が本来とは異なる目的で利用できるようにすることを目的として,これを確実なアクセス管理の下に実現しようとするのと同様に,センシンググリッドにおいても,個々のセンサを他者が本来とは異なる目的で利用できるようにする際に,個々のセンサ情報へのアクセス管理が重要となる.このようなセンシンググリッドの実現に当たっては,異種センサの同期,センサデータの蓄積・管理・共有化,情報要求・サービス提供の仕様記述,アプリケーション開発のためのバターン処理ツール開発,プログラムの隔離・自律化,センサ情報・利用者情報の秘匿化,被観測者の個人情報の選択的開示,等の技術が必要となる. 以上の成果を踏まえ,今後は,これらの課題の実現を目標した特定領域研究の申請について検討する.
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