研究課題
この企画調査「次世代型中性子検出器の研究開発」では、中性子検出器の開発者、中性子科学の専門家でもある中性子実験装置を建設する専門家の双方を網羅する国内ネットワークとしての活動を行った。大強度陽子加速器計画のような世界最高性能を持つ次世代パルス中性子源に向けて、着実に、かつ高性能の検出器を開発することが最優先であり、そのための議論を行い、報告書をまとめた。しかし、中性子検出器の研究開発はそれ単独で成り立つ学問分野ではなく、中性子科学全体の今後の動向を踏まえた上でどのように発展させて行けば良いかを考える必要が有る。高性能の中性子光学素子、試料のラベリング技術を組み合わせるとともに、日本全体の中性子科学に関する教育、研究のネットワークの幅を広げるための小型加速器中性子源を視野に入れた研究体制が必要である。北海道大学工学研究科の鬼柳善明氏を代表者とした、平成17年度発足特定領域計画「中性子科学基盤ネットワーク」の申請を行った。何度かの研究会を行った。2004年8月18日には高エネルギー加速器研究機構において研究会を行った。また、2004年12月15日には中性子科学の専門家との交流を深めるため、北海道大学学術交流会館に於いて中性子科学会年会のサテライトとして「デバイスグループ合同研究会」を主催した。最後に2005年3月24日に高エネルギー加速器研究機構に於いてまとめの研究会を開催した。これらと平行し、次世代中性子検出器に対する要求にはどのようなものがあるかの調査研究を行った。世界の中心的な中性子実験施設であり、独自の検出器開発を行って来ている、米国ブルックヘブン国立研究所、欧州のラウエランジュバン研究所、ESRF放射光施設、独国FRM-II原子炉施設、英国のパルス中性子施設であるISIS、日本に先行して次世代のパルス中性子源を建設中の米国SNS等々について情報交換をすることが出来た。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
Hamon(中性子科学会学会誌) 15・1
ページ: 55-58
Neutron News 16-1
ページ: 29