研究課題/領域番号 |
16639008
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
本橋 豊 秋田大学, 医学部, 教授 (10174351)
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研究分担者 |
川上 憲人 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90177650)
中山 健夫 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70217933)
金子 善博 秋田大学, 医学部, 助手 (70344752)
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キーワード | 自殺予防 / 国際比較 / 戦略 / フィンランド / イギリス / 中国 / アメリカ / NPO |
研究概要 |
国家的レベルで自殺予防戦略を確立し実行しているフィンランド、イギリス、アメリカ、中国の自殺予防対策責任者と直接面談し、どのように対策を進めているか、困難要因あるいは促進要因は何かについて、キーインフォーンマントインタビューを実施した。フィンランドの自殺予防対策は一次予防を重視した協働プロセスモデルをもとに着実な成果を挙げたことが明らかになった。中国では北京市の支援のもとに自殺予防研究センターが立ち上げられ、科学的根拠に基づく対策が実施されつつあった。アメリカでは、国家自殺予防戦略をもとに各団体でうつ病対策を中心にした施策が実施され成果を挙げていた。イギリスでは国家的健康増進施策の「我らがより健康な国」において自殺予防が取り上げられ、民間を巻き込んだ自殺予防啓発活動が効果を挙げていた。国家的取り組みと同時にNPO団体の役割についても調査を実施し、フィンランドとイギリスでは「いのちの電話」に相当するNPO団体が民間資金を得て、自由な立場から活動を行っている実態が明らかにされた。 フィンランドでは国立社会福祉保健開発研究所(STAKES)の自殺予防プロジェクトチーム、英国では保健省とサマリタンズの担当者、中国では北京の自殺予防研究センター及び北京大学精神保健研究所の担当者と学術交流を行うことができ、将来の共同研究ならびに国際シンポジウム開催へ向けた人的交流ネットワークを確立することができた。 今回の研究成果は平成17年1月29日に秋田市で開催されたシンポジウム「海外の自殺予防対策をいかに我が国に活かすか」で発表され、180名を超える多数の市民とマスコミ関係者の参加を得た。研究成果は平成17年1月30日のマスコミ各社で配信された。
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