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2005 年度 実績報告書

代数幾何学に現れるプロシージャの計算論的学習理論の側面

研究課題

研究課題/領域番号 16650002
研究機関首都大学東京

研究代表者

徳永 浩雄  首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 教授 (30211395)

研究分担者 小林 正典  首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 助教授 (60234845)
山本 章博  京都大学, 情報学研究科, 教授 (30230535)
キーワードNoether環 / 有限の弾力性 / 特徴例集合
研究概要

本年度はNoether環のイデアル全体のクラス及びイデアルの(個数の制限のない)和集合のクラスに対して,正例からの学習可能性について考察した.StephanとVentsovは論文「Learning Algebraic Structure from Text, Theoretical Computer Science 26(2001), 221-273」において,「可換環のイデアル全体のクラスが正例から学習可能〓可換環がNoether環」という定理を証明した.一方,正例からの学習可能性に対しては,Angluinが与えた必要十分条件(EC1と呼ばれている)以外に,十分条件として,「有限の厚さ」(C4),「有限の弾力性」(C3),「特徴例集合の存在」(C2)が知られている.これらの条件の関係は
C4〓C3〓C2〓EC1
であり,各矢印に対しその逆は成立しないことも知られている.
本課題でまず考察を行ったことは
1.Noether環のイデアルの有限基底の存在は「特徴例集合の存在」に他ならないということ
2.Noether環のイデアルに関するAscending Chain Conditionは「有限の弾力性」が成立することに他ならないということ,
である.Noether環においてはイデアルの有限基底の存在とAscending Chain Conditionは同値である.従って,Stephan-Ventsovの結果と合わせると,Noether環のイデアル全体のクラスでは「有限の弾力性」と「Angluinの条件」は同値となることが分かった.さらに,イデアルの和集合のクラスに対しても考察を行った.和の個数が一定の数以下であるときは,Wrightの定理を用いて,正例から学習可能であることが分かっていた.本研究では,個数に制限が無い場合について,有理数を係数とするn変数多項式環を例にとって考察を行った.その結果,
個数に制限をつけないイデアルの和集合のクラスが正例から学習可能〓n=1という結果を得た.
その後,Noether環の有限基底という概念を「代数的閉包演算とそれによって定義される閉集合のなかで有限生成なもの」と一般化した対象に関して考察を進めている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 多項式環のイデアルと正データからの学習2005

    • 著者名/発表者名
      小林正典, 徳永浩雄, 山本章博
    • 雑誌名

      第8回情報論的学習理論ワークショップ予稿集

      ページ: 129-134

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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