研究概要 |
個人の行動を記録した大量の映像(音声を含む)と大規模自然言語テキストとの統合処理により知識を獲得すること,及び,シンボルグラウンディングの基礎データを得るための調査を行うことが本研究の目的である.そのために,今年度は二年間の研究期間の一年目として,以下の項目について研究を行い,順調に進んでいる. 個人行動記録映像の大量蓄積:装着者の負担を減らすため,カメラ・センサ・PCを含めたトータルなシステムの軽量化,長時間化を進めた.多くの人に使ってもらうことが可能なように,できるだけ高価なデバイスを使わず,安価なノートPCと安価な電子部品の組み合わせとした.現在,稼働しつつある. 個人行動記録映像の有機的検索:得られた映像データからお互いに関連の強い断片をまとめ,それを基に検索やデータ提示を行う手法を開発した.これにより,欲しいデータの画像的な特徴や場所・時刻のようなメタデータが得られない場合でも,欲しいデータを得ることが簡単になる.現在は,その手法を実装し,大量のデータに適用することが可能かどうかをチェックしている段階である. コミュニケーション行動を含んだ個人行動記録の検討:装着者どうし,または,装着者と遠隔地にいる作業教示者が対話する場合を想定し,システムの設計を行った.また,このような場合に,データから得られる情報を行動の記録としてどのように蓄積し,検索すれば良いか,また,そこからユーザに対してどのような支援が可能であるか等を検討している段階である.特に,遠隔地の人間同士のコミュニケーションを行動記録データとして使うのは世界でも初めての試みであり,今後,一層注力していく予定である.
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