研究課題/領域番号 |
16650029
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
瀧 寛和 和歌山大学, システム工学部, 教授 (10304180)
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研究分担者 |
内尾 文隆 和歌山大学, システム情報学センター, 教授 (90185017)
松田 憲幸 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (40294128)
三浦 浩一 和歌山大学, システム工学部, 助教 (70362861)
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キーワード | ユビキタスコンピューティング / 量子重ね合わせ状態 / 多重世界計算モデル / 量子コンピューティング / 縮退計算 / センサーネットワーク / グローバーアルゴリズム |
研究概要 |
量子重ね合わせ状態モデルをセンサーネットワークで構成するユビキタスコンピューティング環境に適用するための表現モデルと実験環境を構築した。このモデルでは、量子ビットをベースにした表現を利用するが、その存在位置の計算にグローバーアルゴリズムを応用できることを見出した。この位置情報を中心とした事物の状態に関する量子重ね合わせ状態の実験モデルとして、センサーネットワーク実験設備を構築し、存在に関する従来手法での評価実験を行い、あいまい性の内容を明確にした。設備には、Smart Dust (MOTE)によるセンサーノードを複数配置して、移動物(人などの事物)に無線LANで結合可能なノードが実験環境内を移動し、その位置を測定する環境とその状態を画像で確認する環境を整備している。移動ノードは、検出されたり、見失ったりするがこの状態を量子重ね合わせ状態のモデルとして実験した。その結果、相対値での位置検出と重ね合わせモデルを得ることができたが、さらに実験する環境を整えるため、センサーの絶対値での位置検出を加える。絶対位置の計算では、ある領域の内外の境界計算が必要となるため、境界の基準値(センサーの基準値)をSVM(サポートベクターマシン)で計算する方式を利用している。センサーネットワークでの存在の計算の実験環境を構築した結果、画像や音認識に利用するには画像処理などの計算量が量子重ね合わせ状態モデル計算よりも大きいことが判明した、そのため、最終的に、センサーの計算量の少ないRSSIによる位置情報を実験に利用した。センサー値があいまいで位置の可能性が多く存在する場合(重ね合わせ状態である場合)に、グローバーアルゴリズムで計算することで、可能性のある位置を絞ることが可能であると分かった。今後、応用システム実用化レベルの研究に向けて発展させていく。
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