研究課題
本研究の目的は、コヒーレント型(干渉型)ニューラルネットワークによる適応的な光波位相面の制御技術とホログラフィ技術を融合することにより、超高密度光メモリを実現できる可能性があることを、基礎実験により示すことである。これは、新しいニューラルネットワーク技術を光情報センシング・書込みに応用することにより実現される適応的センサ融合システムであり、知能ホログラフィックメモリとでも呼ぶべきものである。本研究では主に実験的な実証を進めた。コヒーレント光ニューラルネットワーク(連想記憶)システムの基礎実験として、ホログラムへの周波数多重書き込みと出力の和をとる周波数多重ニューラルネットワークを構築した。はじめに光波によるシナプス荷重の学習を行う。光周波数をある値f1に固定して、光波による相関学習によってホログラム中に信号(位相)を書き込む(writeの過程)。次に周波数をf1にしたまま、想起過程を光学的に行う。(readの過程)。この基礎実験によって、レンズや反射鏡が持つわずかな歪みの影響がなくなることが示された。昨年までの実験でホログラムを用いなかったものでは、コヒーレントな光情報処理システムを構築しようとすると、通常の工学部品による場合には、どうしても2次元的な出力に余分な干渉縞が重畳されてしまい、それを補償する後処理が必要であった。しかし今回の実験では、この歪みも含めてホログラムに書き込みがされるため、出力光は自動的に余分な干渉縞を除去することとなった。本システムのインテリジェントな部分の一つの現れである。次に、多重書き込み・読み出し実験を行った。キャリア周波数を鍵とする動作制御の実験を行った。光周波数をある値f1に固定して、光波による相関学習によってホログラム中に荷重を書き込む。次に別の値f2として同様に荷重の書込みを行う。このように複数の周波数での書込みを短時間ごとに繰返し、周波数多重学習を実現した。そして、想起時には周波数をf1あるいはf2に設定して連想処理を行わせ、ニューロ的な異なる想起を実現することを実証した。適応的な学習と、使用者の制御性を併せ持ったニューラルネットワークを物理的に実現できることを実証することに成功した。
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