研究概要 |
本年度は、研究の初年度であることと、萌芽研究であるということから、マルチ・ラフ集合のみならず、その基礎となる枠組みを再検討した。また、研究目的である基本的なマルチ・ラフ集合とその利用方法についての提案を行った。 1.マルチラフ集合の基礎となる枠組みの再検討 1.1 マルチ集合とファジィマルチ集合を再検討し、マルチ・ラフ集合への延長を見込んだ形式と枠組みを一般化マルチ集合として提案した。この内容については、International Journal of Intelligent Systemsにおいて論文発表を行った。 1.2 今後マルチ・ラフ集合を取り扱うソフトウェアシステム開発のため、まず、基本的方法論として、マルチ集合とファジィマルチ集合に関するデータ構造と基本アルゴリズムの提案を行った。この内容については、Transactions on Rough Sets II, LNCSに論文発表を行った。 1.3 マルチ・ラフ集合の情報システムへの応用を見込んで、マルチ集合とファジィマルチ集合の情報システムへの応用について考察した。この研究内容について、Lecture Notes in Artificial Intelligenceに発表を行った。 2.マルチ・ラフ集合の提案 2.1 マルチラフ集合のための、基本的用語を定義し、従来のラフ近似との比較を行った。研究内容については、2004年8月ラフ集合研究会において口頭発表を行った。なお、この内容は北海道大学村井哲也助教授らによって、同年12月のラフ集合と感性工学研究会において更に一般化され、発展している。 2.2 マルチラフ集合と多様相論理の関係について考察し、2004年12月のラフ集合と感性工学研究会において研究発表を行った。 なお、リスク解析への応用については、現在考察中であるが、成果発表はまだ行っていない。
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