研究概要 |
本研究は、センサ・認識・通信をインテグレーションした新たな技術である空間知能化Intelligent Space(iSpace)に関する研究について述べたものである。iSpaceは、空間全体に知的センサを分散配置してロボット/メカトロニクス機器の行動を支援し、人間に対する物理的なサービス、また人間に意識させない形で提供される知能的なサービスを実現することにより人間の創造力を引き出し、知的活動を支援することを目指している。 本年度は、まず人間とロボット及びコンピュータとの知的インタラクション実現のため、分散感覚知能デバイスによる空間理解システムの改善と人間にとって自然で直感的操作が可能なヒューマンインタフェースの構築を行なった。 ・分散感覚知能デバイス(CCDカメラ)による空間理解 知能化空間では、対象物体のカラーモデルを動的に更新して未知の物体に対してもロバストなトラッキングが実現されている。本年度は、複数の分散感覚知能デバイスにより得られたカラーモデルからグローバルカラーモデルを生成し、分散感覚知能デバイス間において対象物体情報を共有することにより、広範囲な空間での対象物体の特定とトラッキングを実現できるように改善された。 ・空間メモリを用いたヒューマンインタフェース 人間の知的活動を支援する方策として、人工システム操作時における人間の作業ストレスを軽減することに着目した。知能化空間はコンピュータによる計算機力だけでなく、ロボットや空間といった身体性を有する対象との間にインタラクションが発生する点に特徴がある。そのため、身体を利用したインタフェースを構築することにより、複数のロボットや機器,データの直感的操作が実現されると考える。本年度は、三次元空間を空間的なメモリ領域として扱うことにより、人間は身体や手先の位置などの身体動作を用いてメモリへのアクセスを実現する空間メモリを構築した。
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