研究課題/領域番号 |
16650046
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中本 高道 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20198261)
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研究分担者 |
石田 寛 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (80293041)
長濱 雅彦 東京芸術大学, 美術学部, 助教授 (70345338)
蓮見 智幸 東京芸術大学, 美術学部, 助教授 (80180850)
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キーワード | 香り付映画 / webベース嗅覚ディスプレイ / 香りと色 / ニューラルネット / 匂い調合装置 / 芸術創作活動支援 / 匂いセンサ |
研究概要 |
本研究では、嗅覚情報を芸術の創作活動に取り込むのを支援するシステムを作ることを目的としている。既に開発した多数の要素臭を調合する匂い調合装置を用いて、webベースの嗅覚ディスプレイ装置を開発した。登録されたレシピの匂いや自分で作成したレシピの匂いを、ホームページ上の操作により匂い調合装置から発生させることができる。さらに、動画コンテンツに合わせて香りを発生させる仕組みを作った。動画に合わせて匂い強度及び匂いの質を変化させることが可能である。 そして、この開発したツールを利用して香りに関係するコマーシャル映像や映画のダイジェスト版に匂いをつける実験を行った。その結果、異なる香りを提示する場合には十分な時間間隔をあけること、背景となる匂いに短い時間別の匂いを付加する場合は別の匂いを流している間背景臭を止めるべきであること、匂いが切り替わることを表現する場合は類似した匂いを並べるべきではないこと等の指針を得た。さらに映画「千と千尋の神隠し」ダイジェスト版について香りの有無に対する印象の変化を17人の被験者に関して調べた結果、匂いをつけることにより被験者の注意をひきつけるような効果が出せることがわかった。 次に香り付きコンテンツを作るための基礎検討として、嗅いだ香りから連想できる色について調査を行った。ジバンシイを模した香水のベースを中心に被験者に嗅いでもらい、12色の色の中から最もイメージした色に近いものを選んでもらった。東京工業大学と東京芸術大学の構内で延べ296人にアンケートを行いデータを収集した。そして、匂いセンサシステムで検出した匂いからニューラルネットを用いて連想できる色を推定する実験を行った。Cross validation法で評価した結果、6割程度は最も近い色を推定することができるようになった。
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