研究概要 |
本研究では、匂い再生システムを用いて動画や音声に合わせて匂いを発生させて、芸術作品を創作する。昨年度は香り付きアートアニメーションを2編制作し、アンケート調査により香りの効果を調査した。本年度はインタラクティブ嗅覚ディスプレイを製作し、料理ゲームコンテンツを作った。 ユーザからもアクションを起こしてインタラクティブにコンテンツを体験することで、臨場感の向上が期待できる。また、多くの人に体験して楽しんでもらうことを考えて料理ゲームを制作することにした。また、誰にでもわかりやすいコンテンツにすることを目指しそ、料理の題材としてはカレーを選んだ。中心に置かれたなべに、バターをしいたり、ニンニクや、たまねぎ、肉やカレーのルー、スパイスなどカレーの素材を入れていって、ユーザが操作しながらカレーを作っていく。これらの素材を加えていくと対応した香りが発生しく香りも序々にカレーに近づく。また、これらに合わせて"ジュージュー"といったような効果音により、さらにリアリティを高める。この中で、ニンニクと肉の場合は好みに合わせてその量もユーザが調節することができる。 プラットフォームとなるソフトウエアを選択し、動画像の制作、画像の制御ソフトは芸大側が担当し、東工大側は匂い調合装置とのインタフェース、匂い調合装置のソフトウエアの開発を行った。 そして、制作した料理体験コンテンツをCEATEC JAPAN(10/3-7,千葉・幕張メッセ)、産学官技術交流フェア(10/11-10/13,東京・東京ビッグサイト),東京工業大学大学祭(10/28-29)でデモ公開を行った。前2の展示会では168名、大学祭では163名の人に体験してもらいアンケート調査を行った。その結果、匂いの種類が大きく変化するところでは印象が強く、9割以上の人が臨場感が匂い無しに比ぺて増加したと回答した。さらに英語版のコンテンツを制作して米国で開かれた学会IEEE Virtual Reality 2007にても公開実演を行ない、好評を博することができた。
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