研究概要 |
1.文字の体系化に関して感性面からの基礎調査を行なった。今日の公共の場や,情報通信・制御機器において使用されている種々の絵文字,或いは人間社会において使用されて来た象形文字(例:トンパ文字)や,「ロコス」のような,言語構造を持つサインとして過去に提案されていたものについて基礎調査を行った.その調査を通して,人と人の間のコミュニケーションのみならず,情報通信・制御機器と人との間のマン・マシン・インタフェース言語としても,簡便で,感性的整合性のある絵文字のあり方を調査した.ここで,感性的整合性とは,各絵文字とその集合が,人間にとって極めて直観的で分かり易く,感性的意味を持ちながら,人の間違いや勘違い(ヒューマンエラー)を引き起こしにくい状態を意味する. 2.プログラミング言語処理系への応用システムを試作した。具体的には,C言語プログラミングと,その実行が,キーボードを殆ど用いなくとも,絵文字の組み合わせで簡便にできるようなインターフェース・システム,または,絵文字によるC言語プログラミング支援ツールのプロトタイプを試作・開発した。そのため,絵文字を組み合わせて分かり易いプログラミングが可能となるための処理系(またはエディタ等の環境ツール)の設計を行った。絵文字は,プログラミング言語のマクロ命令や,制御構造や構文を表す記号としても用いられる。それら絵文字によって表現されたリストは,同じ意味を持つC言語のプログラム・リストに変換され,更には,そのC言語プログラム・リストをコンパイルして実行させる機能も試作システムにおいて実現した。このインターフェース・システムは,プログラミング初心者の学習用や,キーボードが殆ど使用できない,キーボードレスの携帯端末やポケット・コンピュータでの用途に有用と考える。
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