研究課題/領域番号 |
16650062
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
舟山 眞人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40190128)
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研究分担者 |
那谷 雅之 三重大学, 医学部, 教授 (70241627)
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キーワード | Single nucleotide polymorphism / SNPs / 生体認証 / バイオメトリクス / 同値確率 / 個人識別 |
研究概要 |
Single nucleotide polymorphism (SNPs)による個人識別情報をバイオメトリクス(生体認証技術)に応用するために、まず個人識別に有用なSNPsマーカーを選択し、最短時間でSNPsを検出できる実験系を確立する。同時に、100名程度のDNAを用いて、SNPsタイピングを行いそのデータベースを構築することが本研究の目的である。 SNPsの検出は、まず試料からDNA抽出、次にSNPsタイピングとなるが、抽出に自動核酸抽出システムQuickGnen-800 (FUJIFILM)を用いることにより、口腔内擦過綿棒から約10分以内でゲノムDNAを抽出することが可能となった。また、SNPsタイピングに電気形動を必要としないTaqMan法を採用し、さらに、GeneAmp 9800サーマルサイクラー(Applied Biosystems)および反応試薬であるTaqMan Fast Universal PCR Master Mix (AppliedBiosystems)を使用することで、これまでは2時間を要していた検出時間がわずか40分で済むこととなった。つまり、これまでは試料の採取からSNPsのタイピングまで3時間程度を必要としていたが、最新の機器・試薬によりわずか50分で結果が得られる検査・実験系を確立することができた。 データベースに関して試算したところ、現在個人識別に用いられているSTR (short tandem repeat)検査と同等の同値確率を得るには約50座位程度のSNPs検査が必要であるとの結果が得られた。現在、既に70座位のSNPsの選択が済み、そのうち15座位(遺伝子領域外またはイントロン領域のものであると同時に対立遺伝子の頻度が0.5近傍のもの[AppliedBiosystems社による日本人45名の検査による])において、実際にボランティア100名のDNA試料を用いてSNPsタイピングを行い、同値確率は4。31×10^<-7>と算出された。これは予想された範囲の値であり、さらに検査する座位を増やすことでより高い個人識別精度が得られることになる。 1時間以内にSNPsタイピングを行う検査系を確立したことから、今後はデータベースをより充実させ、より個人識別精度の向上に努めるものである。
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