研究概要 |
ADPリボシールシクラーゼ活性の測定 1 新生ラット脳およびCD38ノックアウトマウス脳から膜分画を調整した。 2 膜分画を酵素タンパク源として,[3H]NADを基質およびトレーサーとして用い,ADPリボシールシクラーゼ活性測用ミックスチャーを37℃シエカーバス内(購入予定)でインキュベートした(橋井)。膜分画中に活性が存在することは予備実験にて確認した。 3 ADPリボシールシクラーゼ活性を簡便に測定するため,薄層クロマトグラフィー(TLC)による方法を開発した。アデニレートシクラーゼ活性測定で蓄積したノウハウを生かした。シリカゲル,ポリエチレンイミンTLCに対し,種々の展開剤を試し,アイソトープ標識のNAD, ADPRやcADPRの分離が十分行える条件を見い出した(東田)。 タンパク精製 1.ラット大脳(100g)あるいはNG108-15細胞(200フラスコ分)をタンパク分解酵素阻害剤の存在下でホモゲナイズした。 2.105,000g15分の遠心により粗膜分画を得た。再度遠心を行った。 3.上澄みをブル-Aセファロースカラムにかけ,0.5M NaClで洗った後,0.5M KSCNで溶出した。 4.次に,ヒドロキシアパタイトカラムにかけた。洗浄後0.1Mリン酸で溶出した。 5.マンカナバリンA-セファロースカラムにかけ,0.5M methyl-α-glucopyranosideで溶出した。 6.最後にレットAセファロースで分画した(東田)。 新規のADPリボシルシクラーゼのcDNAクローニングは,精製タンパク質に対する抗体によるクローニングを正道として行った。CD38の酵素活性部位の共通シークエンスよりのホモロジーによりcDNAを作ってくることも考えた(横山・橋井・星)。
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