研究概要 |
これまでの研究から、CGG-CGGにはナフチリジンダイマーが,1:1で、また、CAG-CAGにはナフチリジン-アザキノロンハイブリッドが1:2の比率で結合することを明らかにしている。トリプレットリピートはその種類により様々な構造を持つことが推測されるが、これらリガンドは今までの研究から初期構造に関係なく、安定な構造を誘起することが強く示唆された。中央のミスマッチだけでなく両側の塩基を認識出来れば、複合体はより安定化することが期待されることから、本年度はCGG-CGGをより強力に結合するリガンドとして、ナフチリジンダイマーのダイマーを分子設計した。その結果、CGG-CGGに極めて選択的に結合するナフチリジンカーバマートダイマーの開発に成功した。ナフチリジンカーバマートダイマーは、先に見出していたナフチリジンダイマーのリンカー部分の構造をCGG-CGGに最適化することにより得られた分子であり、CGG-CGGに2分子のリガンドが結合し、シトシンをフリップアウトさせる。シトシンのフリップアウトは、ヒドロキシルアミンによる選択的なシトシンとの反応がリガンド存在化に加速されることにより証明した。さらにTGG-TGGのように、シトシンをチミンに変更した配列にもこのリガンドは強力に結合することから、ナフチリジンカーバマーとがCGG-CGGに結合する際には、シトシンとリガンドの間に相互作用がないことが示された。
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