研究課題/領域番号 |
16650084
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中谷 和彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70237303)
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研究分担者 |
周 大揚 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00324848)
萩原 正規 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40403000)
武井 史恵 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (30252711)
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キーワード | トリプレットリピート / 遺伝子疾患 |
研究概要 |
我々の開発したドラッグ(ナフチリジンダイマー、ナフチリジン-ナフチリドンハイブリッド)がミスマッチに特異的に結合する分子であることを考慮すると、ナフチリジンダイマーはCGGリピート領域に、また、ナフチリジン-ナフチリドンハイブリッドはCAGリピート領域にヘアピンループを強制的に形成させ、そこに生じたG-G、A-Aミスマッチをそれぞれ安定化していることが期待された。これらの分子を用いることにより、現在全く治療法のないハンチントン病の発症を予防出来るの可能性について検討した。CAGリピートは転写、翻訳されポリグルタミンを含むタンパクを生成し、これが病因となることが明らかにされているので、転写されたCAGリピートをmRNAレベルでドラッグにより捕捉し、タンパク生成の阻害を検討した。DNAのCAGリピートやCGGリピートに強く結合するこれらの分子は、RNAのこれらリピートにはあまり強く結合しないことが明らかとなった。CGG-CGGをより強力に結合するリガンドとして開発したナフチリジンカーバマートダイマーは、DNAのCGGに強く結合したが、RNAでは結合性が大きく低下した。DNA二本鎖がB型と呼ばれる構造を持つのに対して、RNA二本鎖はA型構造を持つ。A型二重らせんではメージャーグルーブが二本鎖自身で塞がれた構造であるために、我々のリガンドの結合が抑えられていることが考えられた。この点を解決するために、ナフチリジンダイマーのリンカーをメージャーグルーブ側に付け直した化合物の合成を検討し、その合成法をおおむね確立した。今後、この分子を用いてRNAのリピート配列への結合を検討する予定である。
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