研究概要 |
【1)ヒト羊膜の詳細な研究】 信州大学医学部医倫理委員会の承認の下、附属病院及び関連病院の協力を得て、インフォームドコンセントが得られた患者の胎盤より羊膜を剥離し、羊膜の生物学的特性を解析した。ヒト羊膜は、上皮細胞、間葉系細胞より成るので、上皮細胞、間葉系細胞を分離し、細胞表層抗原、増殖因子及び受容体、ホルモン及び受容体などの産生を解析した。またin vitroでの培養条件を検討することによって、ヒト羊膜の上皮細胞及び間葉系細胞の培養至適条件を見つけだした。インフォームドコンセントが得られた患者より、帝王切開で得られた胎盤より羊膜を剥離し、PBS緩衝液で洗浄後、トリプシン、コラゲナーゼを使い、羊膜を消化し、上皮細胞及び間葉系細胞を分離した。今回の結果、一枚の羊膜より上皮細胞として5X10^7,間葉系細胞として、5X10^6の細胞が単離出来た。羊膜より単離された上皮細胞及び間葉系細胞の解析。上皮細胞及び間葉系細胞の細胞表層抗原を解析した。特に、SH2,SR3,CD29,CD44 positive及びCD14,CD34 negative、CD29,CD49f, HLAの発現を解析した。その結果、CD14,CD34は発現しておらず、一方CD29,CD44 CD49f,やHLAは発現が見られた。羊膜より単離された上皮細胞及び間葉系細胞の増殖に関与する遺伝子(サイクリンやサイクリン依存性リン酸化酵素などの細胞周期調節因子、myc, jun, rasなどの発癌遺伝子、P21,P53などの腫瘍抑制遺伝子)、増殖因子及び受容体(FGF, PDGF, EGF, TGF-βなど)、ホルモン及び受容体(ER, PR, hCGオキシトシン)などの遺伝子発現をRT-PCRで解析したが、今回は十分か結果がえられなかった。
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