研究課題/領域番号 |
16650115
|
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
|
研究分担者 |
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
仲本 博 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10299183)
渡邉 望 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60319960)
平松 修 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (50208849)
|
キーワード | リアルタイム3D超音波断層法 / 僧帽弁 / 弁輪 / 僧帽弁逆流 |
研究概要 |
心臓を構成する左心室、僧帽弁、大動脈弁の機能障害は重篤な結果を引き起こすため、その診断治療は社会的にも重要な課題である。そのため、弁尖部の動態評価や、弁逆流の診断が行われ、治療・外科手術が実施されてきた。しかし従来は方法論的制約のため、2次元の超音波断層法による撮像が主体であり、来立体的構造を持つ弁輪形態を平面的に2次元で評価するに止まっていた。本研究は、リアルタイム3D超音波診断装置により僧帽弁構造を立体的に計測して弁輪構造の三次元的動態解析を行い、僧帽弁逆流発生機序を解明することを目的とする。最終年度は、これまで試作したプログラムの検証と臨床応用への具体的検討を実施した。 (1)弁輪構造の定量的評価法の確立:抽出した弁輪構造を定量的に評価する指標について検討した。弁輪形態は健常時には鞍馬状の形態をしている為、単純に二次元平面に展開した弁輪形態の長径、短経のみならず、心室長軸方向への変形(弁輪高さ)の評価を行った。人工弁輪の形状計測による、弁輪構造の評価精度を検討した結果、超音波断層装置の画素サイズの3倍以下(2mm以下)の精度を維持できることがわかった。 (2)臨床計測による検討:3D心エコー法を用いた弁輪構造のリアルタイム評価を行い、各種疾患モデルと弁輪構造の特徴を明らかにするため、臨床計測を実施した。これまでの基礎検討結果を元にして、臨床でルーチンとして実施している心エコー検査時に3Dエコーの検査をあわせて実施し、臨床診断への応用を図った。実際の計測では、計測時間は7心拍だけのため、息止め時間は10秒程度であった。そのため、測定を実施できない例はなく、被験者への負担は通常のエコー検査と同程度であった。健常者の弁輪形状は開口面に対して収縮期には湾曲が強く、拡張期には平坦化した。一方、僧帽弁逆流患者の弁輪形状は収縮期においても弁輪の湾曲は少なく平坦であることが明確になった。
|