| 研究分担者 |
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30163801)
橋本 謙 川崎医科大学, 医学部, 助手 (80341080)
遠藤 恒介 川崎医科大学, 医学部, 助手 (00350463)
酒井 清孝 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063727)
宮坂 武寛 岡山大学, 医学部, 助手 (60308195)
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| 研究概要 |
本研究は,「NOと酸化ストレスのバランス」を組織・細胞レベルにおける顕微定量的な計測により評価し,(1)高血圧症の発展・進展における「NOと酸化ストレスのバランス」の役割を明らかにし,また(2)組織・細胞レベルの「NOと酸化ストレスのバランス」の意義の解析,を目的とする。
高血圧症モデル動物群として,Dahl食塩感受性ラットに8%NaCl添加食を投与し高血圧症を誘発させた。一方対照群にはNaClを添加しない通常食を投与したDahl食塩感受性ラットを用いた。各群についてNaCl添加食または通常食投与後0〜8週の期間毎週,体重,血圧を測定した。
食塩添加群の体重は実験期間中,対照群と差はなく週を追って増加した。食塩添加群は2週目から有意に高血圧を示し,8週目には対照群平均130.8±16.1mmHgに対し202.5±34.2mmHgであった。食塩添加群の動脈硬化好発部位である大動脈-腎動脈分岐部頭側におけるNO産生量は,対照群と同様,非好発部位と比較して低下傾向が認められたことから,動脈硬化の発症・進展の局在化に高血圧発症NO産生量の局所的低下の寄与が考えられた。また,腹部大動脈組織中のスーパーオキサイド産生量が対照と比較して多かったことから,高血圧の病態形成にスーパーオキサイドが関与している可能性が示唆された。高血圧の誘発により,血管各部位における「NOと酸化ストレスのバランス」に障害が発生し,病態形成への関与が示唆された。
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