研究概要 |
○培養心室筋試料の作成手法の確立 超音波照射に伴う心室筋拍動の変化を観察するため,カバーガラス上での心室筋細胞の培養を試み,心筋細胞がカバーガラスにも良く接着して安定に培養でき,培養心室筋が拍動を再開することを確認した. ○心室筋細胞の培養状態における連続観察手技の確立 カバーガラス上に培養した心室筋細胞を超音波照射可能な観察チャンバ(既存設備)に取り付け拍動を観察した結果,拍動周期や収縮の強さが培養環境の温度に依存して大きく変化することが明らかとなった.そこで,培養環境の温度を一定に保つ装置を作成し,心室筋細胞が数時間に渡って安定に拍動する環境を実現した.当初の目的である数日間に渡る連続培養の実現は今後の課題である. ○心室筋細胞の拍動検出装置の開発 顕微鏡に接続したデジタルカメラから取得した標準のテレビ信号(NTSC信号)を用いて心筋の拍動を検出する装置を作成した.この装置はテレビ画面上のある一点における輝度の時間的変化を検出するものであり,拍動する心筋細胞の像上にその点を設定することにより,心筋拍動をリアルタイムに非接触で検出することが可能となった. ○超音波照射実験 培養心室筋細胞に,細胞近傍に微小気泡が存在する条件および存在しない条件で超音波を照射する実験を行い,いずれの場合にもある閾値を超えた音圧で心室筋細胞の拍動に変化を生じること,気泡が存在する場合には変化を生じる閾値が低下することを確認した.
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